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家族が家を追われる

家族が家を追われる

この事例のPOINT

評価の高い自社株と優先事項の違いがもめる原因に!

 

【A社の状況】

A社は地方中堅都市のメーカーで、創業35年を数えています。社長と専務で起こした会社は高度経済成長の波に乗り、大手企業の安定した取引にも恵まれ、小さいながらも大きな財を成すことに成功しました。社長と専務の関係も良好で、株式は50%ずつ持ち合い、お互い信頼し助け合って会社を経営していました。

 

【社長の死後に備えて】

会社の好業績を背景に、「まさか」の事態への準備もしていました。生命保険に加入し、お互いに何かあったときには、役員退職金として家族への生活資金を確保できるようにしていました。社長、専務のどちらが欠けてもいいように、運転資金や資金繰りは共有できていましたし、取引先との関係性も良好で、問題はないように思えました。

 

—ところが、社長が亡くなってしまったのです。

 

突然のことで、残された奥様は大変悲しみました。

会社や取引先、そして共同経営者の専務にも衝撃が走ったことは言うまでもありません。

しかし、悲しんでばかりもいられません。

家族は生活を、専務は会社を継続しなければいけないからです。

ひとまず、約束通り専務が社長となり、会社を経営していきます。

奥様は、役員退職金を手に新しい生活を始めようとしていました。

 

【相続に必要な現金】

ある日、相続を一任している税理士より奥様に連絡が来ました。「奥様、相続税が13億ほどになる予定です。相続するかどうかを3ヶ月以内に決めなければなりません」税理士が言うには、自社株式の評価が高く、株式の相続をする場合は13億円を現金で支払わなければならないとのこと。もし、相続をしないのであれば、今住んでいる家も出ていかねばならないということでした。相続するとしても、相続税を支払うために家を出ていかなければならなそうです。困った奥様は、後継社長に株式を買い取ってほしいと連絡をとりました。

遺族の主張

社長の亡き後、遺族である私達は安定した生活を望んでいます。会社の経営のことはわかりませんので、会社に株式を買い取っていただきたいのですが、引き継いだ社長に断られてしまいました。後継社長の主張このままでは、相続税を払うために住んでいる家を売ることになりそうです。

後継社長の主張

急に社長が亡くなったので、共同経営者である私が後を引き継ぎました。会社の経営はひとまず安泰ですが、奥様の自社株をすぐに買い取るというのは、大きな資金の流出になるのでできかねます。もちろん奥様には規定通り、役員退職金をお支払いしていますので、当座の生活は困らないようになっているはずです。

【もめる原因】

もめる原因1:評価の高い自社株式

相続には、自社株式も含まれます。特に会社経営と関わりのない遺族においては、自社株式を現金化できないのであれば、なんの意味もない紙切れと一緒です。自社株式の評価が高ければ、相続税も跳ね上がり、現金化しなければ税金の支払いができない場合もあります。一方、会社においても自社株式を買い取ることが難しい場合もあります。資金繰りや運転資金に支障をきたすようであれば、会社が傾いてしまうからです。

もめる原因2:優先事項の違い

遺族は安定した生活を、後継社長は安定した会社をそれぞれ目指しています。相続するしないに関しては、遺族の問題です。後継社長にしても、元社長の奥様には不自由して欲しくはないのですが、会社が傾いてしまうような資金流出を認めるわけには、現社長としてできません。自社株式を買い取るとしても、会社の経営に合わせる形で計画的に買い取るということが多いようです。

 

【もめないためのアドバイス】

生前かけておいた生命保険を、役員退職金として遺族に現金を残す方法は、とてもポピュラーです。残された遺族は、家や現金を手にして生活に支障がないはずです。ただ、ほとんどの企業や社長は自社株式の評価までしていません。遺族が相続する際には、自社株式も相続することになります。後継者が遺族であれば、問題が起こりにくくはなりますが、株式を譲渡するのに、現金が必要なことには違いがありません。社長の「まさか」に備えるためには、自社株式の評価も加える必要があります。

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